05
東洋ビューティ株式会社 佐賀工場工場長

佐賀は海外ビジネスの重要拠点。
地域の方々とともに
佐賀工場を発展させます。

川本 雅也さん

佐賀進出の決め手は
天災の少なさとアジアに近い好立地

東洋ビューティ株式会社(以下、東洋ビューティ)は、化粧品、医薬部外品をODM/OEMで受託製造しています。弊社の佐賀工場が操業を開始して2022年4月で4年目に入りました。私は着任して1年ですが、竣工式に見た新工場の美しさは今でもよく覚えています。

新工場建設の検討は、2011年の東日本大震災がきっかけでした。あの震災で宇都宮工場が甚大な被害を受け、約3カ月間も稼働停止を余儀なくされました。

そうした経験を踏まえてBCP(事業継続計画)を考慮すると、弊社にとって新工場建設は急務でした。生産拠点を分散するため候補地を本社の大阪より西の九州に絞り、さらに天災が少なく、アジア圏を中心とした海外ビジネスにも適しているという理由から、現在(佐賀県神埼市)の用地に決定しました。

さらに、佐賀県や神埼市からのバックアップも進出への後押しとなりました。初めての九州進出には不安もあった中、県や市の職員の方々の手厚いご協力や様々なアドバイスは大変ありがたく、関わってくださったすべての方々には感謝しかありません。

佐賀工場は製造工程や歴史、
想いをすべて「みせる」。

佐賀工場は弊社で最も大きな規模と生産体制を誇ります。製造ラインには、様々な大きさの真空乳化装置を13基保有し、小ロットから大ロットまでお客様からの様々なご希望に対応しています。

佐賀工場のコンセプトは「みせる工場」。ものづくりの現場にふれてみたいというお客様のニーズが高まる今、工場の在り方を一から再検討して、「みせる」という新しい発想をデザインに落とし込みました。たとえば、工場内に設けた見学者専用の通路があります。ここを通れば、明るいガラス張りの工場内をスムーズに移動しながら、普段は見られない化粧品の製造工程をご覧いただける仕組みになっています。

また、工場内にはミュージアムを併設し、創業者の想いや80余年の東洋ビューティの歴史にふれていただける、約7分間の動画もご用意しています。化粧品業界の方はもちろん、一般の方々にも広く弊社の考え方や取り組みを知っていただけると思います。「みせる工場」を通して、地域住民の方々の期待とわれわれのものづくりへの想いが重なり合い、より良い関係を築いていけたらと願っています。

従業員から、地域から、
長く愛される会社を目指しています。

佐賀工場には従業員のための休憩スペースに和室やマッサージチェアを設置しています。アクティビティルームにはボルダリングやビリヤードなども楽しめるように整えています。これらは、従業員の意見や要望を形にした空間であり、「従業員を大切にする」という企業の姿勢の表れでもあります。

従業員は企業の宝です。私たちは、従業員から「ここでずっと働きたい」と思ってもらえるような企業、学校や親御さんからも安心して推薦していただける、地域に長く愛される企業を目指しています。私は1年ほど前、新卒採用試験に際し初めて地元の若い方々と話をしたのですが、「工場の建築工事が始まった3年前からここで働きたいと考えていた」という方が多く、嬉しい驚きでした。われわれもその期待に応えられるよう、引き続き努力をしていきます。

私の目標は、ここ佐賀工場を東洋ビューティの基幹工場にすることです。「佐賀県民は何かにコツコツ取り組むことが得意」とお聞きしたことがあります。これは、ものづくりに欠かせない大事な素質です。これから地元での雇用もますます増えますので、皆さんと一緒に成長できる日を楽しみにしています。

佐賀を中心にオール九州の力で
日本を代表する化粧品事業を。

東洋ビューティは現在、中国に営業所を構えるべく動いています。私たちがつくる商品をアジアの方々にも気軽に手に取っていただきたいですし、今後は国内外を問わず同じ目標を掲げる企業と手を組み、ともにビジネスの可能性を広げていくことができればと考えています。

そんな中、輸送ルートや環境の観点からも、佐賀工場がアジアへの発信拠点となるのは間違いありません。九州における化粧品事業はまだ始まったばかりですが、アジアに近い九州、そして佐賀だからこそ、日本を代表するような化粧品事業を動かせる可能性は十分にあると思います。

佐賀県発のコスメティック構想にも大きな期待をしています。原料を作る人、加工をする人、製造や配送に携わる人、デザインをし、販売をする人…佐賀を中心に化粧品業界が盛り上がり、いつかはオール九州の力で何かシンボリックな商品が完成し、ものづくりをがんばってきて良かったとみんなが思えるような流れが生まれたらいいですよね。そういう目標に向けて、われわれ東洋ビューティは何ができるのか、何をしていけばいいのか、佐賀の皆様と一緒に考えて、ともに進んでいきたいです。

 

東洋ビューティ株式会社

1941(昭和16)年創業。「世界最良のODM企業となる」を経営ビジョンに掲げ、化粧品、医薬部外品をODM/OEMで受託製造する。製造部門のアウトソーシングを考える事業者のニーズに応え、企画提案から処方開発、製造、品質管理までトータルで請け負う。工場は関西に上野工場、関東に宇都宮第一工場・宇都宮第二工場を有し、2019年に佐賀県神埼市に自社最大規模の佐賀工場を設立。

公式HP

その他のインタビュー

01
株式会社バーズ・プランニング

地元の素材を活かして
全国へ唐津や加唐島の魅力、
ものづくりの面白さを伝えたい。

松尾 聡子さん
02
株式会社クレコス

当たり前のことを地道に、
サスティナブルな取り組みを
続けていくことが大事だと思う。

暮部 達夫さん
03
農業生産法人グレイスファーム株式会社

白いきくらげと出会い、
美と健康とワクワクの日々が
ずっと続いています。

副島 幸輔さん
副島 耕一さん
04
YOKO・JAPAN株式会社

「男性も美しく」を
テーマに、地元・唐津の
魅力も発信していきたい。

田中 洋子さん
05
東洋ビューティ株式会社 佐賀工場工場長

佐賀は海外ビジネスの重要拠点。
地域の方々とともに
佐賀工場を発展させます。

川本 雅也さん
06
国立大学法人 佐賀大学 教授

佐賀への移住は
「おもしろい」選択。
先が予測できないからこそ、
ワクワクドキドキする道なのです。

徳留 嘉寛さん
07
浜崎クラスター(現 唐津コスメパーク)3社対談

誰もが元気で輝いている。
日本のコスメティックバレーを
私たちの佐賀に創ろう。

山﨑 信二さん
馬渡 雅敏さん
西内 賢文さん
08
Savon de Rin

化粧品づくりは覚悟がいる。
でも未来は明るい、希望はある。
私は挑戦する人と走り続けたい。

久原 抄織さん